SITUATION 01|CROSS-BORDER TRACKING
相手が国を移動した
判決は取った。しかし相手は、もう国内にいない。出国の事実を確かめた時には、隣の国で暮らしていた——弁護士の先生方から最も多くうかがうのが、この形です。会社の未収金でも、個人間の貸付でも同じことが起きます。そして調査を一つの国で組み立てている間に、相手はさらに次の国へ移る。判決も、内容証明も、紙は国境を越えるのに時間がかかります。相手は紙より速く動きます。
それでも、追跡は可能です。25年この仕事を続けて分かったのは、国をまたぐ逃避には法則があるということです。
行き先は、資金力で決まる
資金のある者は、生活の質とセキュリティの高い都市へ。資金の乏しい者は、物価が安く身元の確認が緩い国へ。「どこへ逃げたか分からない」案件でも、相手の懐具合から行き先は絞り込めます。
一度の移動では、終わらない
最初の国で安心した相手は、追跡の気配で次の国へ動きます。2か国目、3か国目まで移る例は珍しくありません。「◯国にいるらしい」という情報は、結論ではなく出発点です。
手続きは、移動に追いつかない
一つの国で照会や手続きを組み立てている間に、相手は動きます。必要なのは、国が変わっても調査を引き継げる体制——各国のネットワークを一つの窓口で束ねていることです。
